呑んだくれのヘ音記号

酒があったら毎日Happy。

竹鶴、終売に思うこと

私をウイスキー沼に最初に取り込んでくれたのは、紛れもなく竹鶴の存在でした。

大学生になり、私も酒を覚えてから一通りの酒を試しました。サワーから始まり、ビール、焼酎、日本酒、ワイン…。そんな中で一人で購入する機会がどうしても少なかったのがウイスキーだったのです。度数の高い酒をどうやって飲んでいいかわからず、登場する機会も少なかったんですかね。購入したサントリーオールドとかをストレートで味わうにはちょっと辛かった(アルコール度数も癖も強かった)し。友人から聞いた「ウイスキーのキリンレモン割り」によくお世話になっていたっけなぁ。

そんな私が本格的にウイスキーに目覚めたのは、おそらく余市旅行。北海道をひとりであてどもなくさまよっていたときに、余市にニッカの蒸留所があるということを知り、観光目的で(酒目的ではなく)訪れたのでした。そのときに無料試飲させてくれたのは響、竹鶴、アップルワインという最強カルテット。この時点でだいぶノックアウトされた私だったのですが、、、

工場の中に、有料の試飲スペースがありました。当時としては破格の価格で試飲させてくれたお酒が竹鶴の35年。ハーフショットで2,000円とこれまた高いのか安いのかよくわからない値付けだったのですが、そのときのおばちゃんに言われた一言が忘れられません。「人生でこんないい経験できる機会めったに無いんだから、絶対にあるうちに味わったほうが良いよ」実際この経験は私の酒飲み人生の中でも伝説に残っている日です。果てしなく長い余韻と果てしなくなめらかな舌触り。若輩者が気軽に味わえるものではないことは間違いなく、市価70,000円(80,000円だったかな?)の幻ボトルはもうバーで見たことはありません。

ウイスキーの沼に落ちていくきっかけとなった、竹鶴。このお酒は生涯、忘れ得ぬものでしょう。そしてその酒も思い出とともに記憶と残っていくことを願ってやみません。17年は気軽に購入できる(それでも思い切って購入するやつですけど)、21年はバーで特別なときに飲める、そんな竹鶴。時代もまた令和に移り変わり、お酒も変遷されていくのでしょうかねぇ。。。 

手元にあるのは、竹鶴の12年しかないんです。ノンエイジになって竹鶴もだいぶん若々しくなってきてしまったのが残念。私の日頃のご褒美くらいには竹鶴の12年あたりがちょうどよかったんですけど、ねぇ。